【旦那の車にGPSをつけるのは違法？】浮気調査でGPSを利用する

GPSは行動の連続性を把握できる便利な手段ですが、日本では法規制とプライバシー保護が厳格です。2021年改正により無承諾の位置取得は規制され、最高裁も令状なきGPS捜査を違法と判断しました。本記事では、合法な範囲での可否と限界、そして現実的な証拠固めの方針を整理し、感情に流されず賢く動くための視点を提供します。 (警察庁)

車の手掛かりで浮気を見破る

車は生活動線の写し鏡です。まずは、合法かつ安全にできる「状況整理」から始めます。

ナビの「目的地履歴」で行き先を確認

カーナビの目的地履歴に、普段の生活圏から外れた場所や同じ地点への反復訪問がないかを、日付と時刻とともにノートへ記録しておきます。履歴の保存期間や仕様は車種により異なるため、確認できた範囲だけを客観的に残すのがポイントです。続いて走行履歴（トリップメーターや燃費ログ、テレマティクスの走行記録など）から、曜日ごとの走り方の変化や、急に増えた夜間走行など“いつもと違う”パターンを拾います。

ゴミ箱のレシートから履歴を追う

車内の小物の置き忘れやレシートも、日付と場所を淡々とメモし、写真に残すと後の時系列整理が容易です。レシートは「店名・店舗住所・決済時刻」が入るため、後日プロへ相談する際の補助資料になります。

香水など“匂い”を記録

さらに、香水や柔軟剤の匂い、シートポジションの急な変化、車内の細かな汚れ方の違いなど、五感で気づく違和感も記録しましょう。これらは単独では決め手になりませんが、複数の状況証拠を時間軸で束ねると、行動パターンの仮説が見えてきます。なお、スマホやアカウントへの無断ログインといった違法の恐れがある方法は避け、合法な範囲での観察と記録に徹する姿勢が重要です（不正アクセスのリスクは後述）。(ベリーベスト法律事務所)

GPSの種類と特徴を知る

GPS機器は大きくロガー型（本体に移動履歴を保存し、後で回収してPC等で確認）とリアルタイム型（通信回線で現在地や履歴を即時に閲覧）に分かれます。ロガー型は電池消費が少なく長時間記録しやすい反面、現場での回収が必要です。リアルタイム型は地図上で動きを追える利便性が魅力ですが、通信費や電池管理、機器の管理責任が伴います。スマホアプリ型の位置共有機能や、メーカー純正のテレマティクス（例：コネクテッドサービス）も広義の“GPS利用”に含まれます。

違法行為となる場合

ただし、無承諾で位置情報を取得する行為は違法となり得ます。ストーカー規制法は2021年の改正で「GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得」を規制対象に明記しました（2021年8月26日施行）。たとえ配偶者間でも、相手が所持・管理する物に無断で端末を装着し、位置を取得する行為は重大な法的リスクを伴います。製品の違いを理解すること自体は情報収集の一環ですが、「どう使うか」が最重要です。同意が得られないなら使わない、これが基本線です。(警察庁)

バレにくい設置と取り付けのコツ

本節名のような“隠匿的な設置方法”の具体指南は、違法行為の助長につながり得るためお伝えできません。無断設置それ自体が、ストーカー規制法・不法侵入・プライバシー侵害などの法的問題を惹起し得るからです。警察庁は、近年の実情を受けてGPS悪用を明確に規制対象化しており、違法性の判断は一層厳格化しています。「バレにくく付ける」発想は、法的にも倫理的にも推奨できません。(警察庁)

そのうえで、どうしても位置情報が必要なら、同意に基づく方法に切り替えます。例えば、自分が所有し自分が主に使用する車の盗難防止や見守り目的で、家族と合意のうえで純正テレマティクスやドライブレコーダーのGPSを活用する、といった“公開・同意・目的限定”の三条件を満たす手法です。合意が得られない場合は、自力での追跡をやめ、法に則るプロ（弁護士・探偵）へ相談し、合法かつ証拠能力のある収集計画に立て直すほうが、結果的にトラブルや無効証拠のリスクを避けられます。(刑事事件相談弁護士ほっとライン)

勝手にGPSは違法？想定されるリスク

まず押さえるべきは、2021年改正ストーカー規制法により、相手の承諾なくGPS等で位置情報を取得する行為が規制された事実です（2021年8月26日施行）。無承諾で相手の所持品や車両に装置を付ける行為は、警告・禁止命令、逮捕・送致の対象になり得ます。さらに、警察のGPS捜査ですら令状なく行えば違法と最高裁が判断しており（2017年大法廷判決）、位置追跡という手段そのものが高度のプライバシー侵害になり得ると理解しましょう。(警察庁)

違法にならないとされるケース

違法にならないとされるケースは限定的です。例えば、自分の所有物に盗難防止目的でGPSを付けること自体は一般に問題ありませんが、配偶者の所在把握を目的に自車へ仕込み監視するような使い方は、同意がなく“相手の位置把握”を主目的とすれば、迷惑防止・ストーカー規制の射程に入る可能性が指摘されています。共有財産や名義の問題を持ち出しても、相手が現に所持・管理する物に無断装着すれば、規制法上の「相手方の所持する物」に該当し得る点に留意が必要です。(刑事事件相談弁護士ほっとライン)

社用車の場合は？

社用車の場合は第三者（会社）の財産です。勝手に装着すれば、不法侵入（刑法130条）や器物損壊、会社との民事トラブルに発展し得ます。駐車場が管理された私有地なら侵入自体が問題になることもあります。別居中の自宅・駐車場など、実際に管理している者の意思に反する立入りも同様にリスクが高いと理解してください。(ベリーベスト法律事務所 錦糸町オフィス)

不貞の決定打”になりにくい

最後に、GPSの履歴だけでは“不貞の決定打”になりにくい点も重要です。位置履歴は行動傾向の補助資料としては有用でも、肉体関係そのものを直接立証する証拠ではありません。ホテル出入りの写真等の客観資料と組み合わせて、初めて法的主張の骨格が形になります。(弁護士法人多湖総合法律事務所)

証拠固めの現実解とプロ活用

GPSに期待し過ぎず、“合法・安全・証拠価値”の三拍子で考えるのが現実的です。法律事務所や信頼できる探偵は、違法手段を排しながら証拠としての筋が良いデータ（日時特定・人物特定・場所特定）を積み上げる段取りを提案してくれます。焦って独断で動くより、早期に相談し、不要な違法リスクや証拠排除を避けることが、最短での解決に繋がります。(ベリーベスト法律事務所 八王子オフィス)

不貞行為の決定的な証拠の具体例

裁判所に通用しやすい典型は、ラブホテルへの出入り写真・動画（入退室と滞在時間がわかる）、宿泊・飲食のレシート、親密性を示すメッセージのやり取りなど、複数資料の組み合わせです。ビジネスホテル等の場合は推認力が弱いこともあるため、施設の性質や滞在時間を補う資料（領収書、連続性のある行動メモ）が重要です。(ネクスパート法律事務所 –)

探偵会社に依頼するメリット

違法手段を使わない調査設計、対象の動線を読み切る張り込み・追尾の経験、そして証拠化（時刻・場所・人物の同定）のノウハウはプロの強みです。無断GPS装着のような手法は、プロでも違法で採用できません。法に適合した方法で結果を出す会社かどうか、違法提案をしないかで見極めましょう。(探偵社FUJIリサーチ)

Q&A：無断GPSアプリは違法なのか？（2021年改正点）

無承諾での位置取得は規制対象です。物理端末の装着だけでなく、スマホへのアプリ導入等で位置情報を得る行為も、相手の承諾がなければ違法となり得ると理解してください（2021年8月26日以降）。(警察庁)

Q&A：LINE監視アプリや不正アクセスの法的リスクについて

ID・パスワードを用いた無断ログインは不正アクセス禁止法違反の可能性があります。端末ロック解除だけでも、サーバーへアクセスが発生すれば違法の射程に入るとの見解もありますし、たとえ刑事罰に当たらない場面でもプライバシー侵害による民事責任が問題になります。慎重に。(ベリーベスト法律事務所)

Q&A：彼氏の車のGPSは証拠になるか・興信所がわかる範囲

位置履歴自体は民事で“使える場合がある”ものの、取得手段が悪質・違法なら排除され得る上、単独では決定打になりにくいのが実務です。探偵が無断で装着することは違法で、興信所が合法的にできるのは尾行・張り込み・撮影などに限られます。位置情報は補助資料と捉え、写真・映像などの一次資料を中心に集める発想へ切り替えましょう。(ネクスパート法律事務所 –)

まとめ

結論として、①法改正により無断装着は原則NG、②GPS単独では決め手になりにくいので写真・領収書・時系列メモ等と併用、③迷ったら弁護士や適法な探偵に相談し、違法リスクと証拠排除を避ける——が基本線です。位置情報はあくまで補助。合法性と証拠価値のバランスを守ることが、最短での解決につながります。 (ベリーベスト法律事務所 仙台オフィス)